注文住宅のスケジュールとは?お家が建つまでの流れをご紹介
家づくりをしようと決めたとき、入居までどのような計画を立てるべきか悩む方は多いのではないでしょうか。
具体的な期間は建築の依頼先や各家庭によって異なりますが、いずれにしても理想的な計画の立て方は共通しています。
本記事では、注文住宅が完成するまでの工程を期間の目安と共に解説していきます。
将来的に注文住宅を建てようと思っている方、注文住宅が完成するまでの計画を立てられずお悩みの方はぜひご覧ください。
注文住宅のスケジュール
注文住宅を計画してから完成するまでの期間は、建築の依頼先によって以下の通り異なります。
- ハウスメーカーや工務店:6~9ヵ月程度
- 設計士:10ヶ月程度
構法や家の規模で工期は変わりますが、一般的には「木造2階建て・延床面積110㎡」という条件で120日が目安として計画が組まれます。
ハウスメーカーや工務店の方が短期間で完成する理由は、工業化された製品を多く扱うからです。
しかし土地によっては地盤改良が必要になったり、間取りやデザインなどの方向性がスムーズに決まらなかったりすると期間は長引きます。
どちらにしても、目標となる入居日から逆算して余裕のあるスケジュールを組むことが大切です。
また、家の完成まで可能な限りスムーズに進めたい場合は以下のポイントを押さえておきましょう。
- 内外装や間取りなどのイメージを明確にする
- 家族間で家の希望に関する意見を合わせておく
- 予算を決めておく
- 土地から購入する場合は土地の希望条件と予算も決めておく
- 家の希望条件における優先順位を決めておく
注文住宅のスケジュールの目安と流れ
ここでは、注文住宅が完成するまでの基本な工程と期間の目安を解説していきます。
実際にスケジュールを立てる際は、参考にしてみてください。
①住宅会社の検討【1~6ヵ月程度】
建てたい家のイメージや予算を決めたうえで、住宅を建築してくれるハウスメーカーや工務店などの依頼先を検討しましょう。
あらかじめ希望する依頼先があればスムーズに進みますが、一から選ぶ場合は目標としている完成日の8~10か月前までに決めておくことをおすすめします。
会社によってサービスの特色や見積金額は異なるので、複数の会社を比較しながら慎重に選びましょう。
モデルハウスやホームギャラリーを見ると、「その会社がどんな住宅をつくるのか」というイメージを掴みやすくなります。
また、営業担当者との相性も家づくりにおいて重要なポイントです。
対応の素早さやコミュニケーション能力などをよく観察し、自分にとって信頼できる人を選びましょう。
②土地選び・土地探し【1週間~3ヵ月程度】
住宅会社だけでなく、家を建てる土地も探す必要があります。
土地を探すうえで注目するべき主なポイントは、以下の通りです。
- 通勤や通学における利便性
- 公共施設や商業施設との距離
- 日当たりの良さ
また、近年は国内での災害が増えている傾向にあるため、ハザードマップを使って地域の安全度を確認している方も多くいます。
不動産会社の広告をチェックして探しても良いですが、依頼を検討している住宅会社があれば相談してサポートしてもらうという手もあります。
希望に合う土地が見つかったら購入となりますが、土地の状態や建築条件によって建てられる家が制限されます。
そのため、購入前に住宅会社から参考プランや概算見積もりを提案してもらいましょう。
なお、土地の購入に必要な申請はほとんどの場合住宅会社が代行してくれます。
購入が決まったら同時に住宅プランも詰めていきましょう。
③住宅プランの決定【1~3ヵ月程度】
土地に対する建物の大きさや向き、間取りなどを決定します。
生活スタイルに合わせた希望を住宅会社に伝え、最適なプランを出してもらえるよう綿密に打ち合わせをしましょう。
希望は遠慮せずにすべて担当者へ相談し、納得がいくまで調整を行うことが大切です。
「こんな希望は通らないかもしれない」と思っていることでも、プロの目線から見れば調整できる可能性があります。
住宅プランが決定したら、住宅会社と建築請負契約を締結します。
契約書だけでなく見積書や家の設計図も渡されるため、内容と自分の認識に食い違いがないかよく確認しましょう。
契約後は、仕様や設備など内装の詳細も決めていきます。
パンフレットやメーカーのショールームで確認しながら各種設備を選び、総額が予算を超えないよう注意して決めましょう。
④住宅ローンの申し込み【1~2週間程度】
住宅プランが決定したら、住宅ローンの申し込み手続きを行います。
申し込み方法は自分で金融機関へ足を運ぶか、住宅会社に代行してもらうかの2種類です。
住宅ローンの申し込み時期は明確に決まっていませんが、自己資金を確保できない場合は可能な限り早めの申し込みをおすすめします。
また、住宅ローンには「事前審査」と「本審査」があります。
事前審査では本人の経済能力を調査したうえで、「物件価格まで融資できるのか」「いくらまでの融資が可能なのか」などを確認します。
借り入れ可能な金額の目安が分かるため、土地探しや住宅プランと並行して受けておくとスムーズです。
⑤施工【4~6ヵ月程度】
住宅ローンの審査を通過したら、工事の準備に取り掛かります。
完成まで仮住まいで生活する場合は、工事の状況によって入居日が変わる可能性を考慮して長めに見込んでおきましょう。
工事の前は家の安全性を確保するため、地盤調査を行う必要があります。
地盤がしっかりしていない土地は地震により地盤沈下で家が傾く恐れがあるため、住宅会社を通して専門業者へ依頼し、調査してもらいましょう。
調査の結果、地盤が弱いと判断された場合は地盤改良工事を施します。
地盤調査の他に、建築予定地で工事の無事を祈念する「地鎮祭」も行うケースが一般的です。
諸々の工程を終えたら、いよいよ家の工事がスタートします。
工事は基本的に以下のような順で進みます。
- 基礎工事
- 屋根・外壁工事
- 造作・内装・外装仕上げ工事
この段階で施主自らが対応するべきことはありませんが、内装材やオプションなどを追加できます。
住宅会社からカタログを渡されている場合は、目を通して住宅に合うものをよく選びましょう。
また、施行中は進行状況を確認したり、業者に差し入れをすることをおすすめします。
⑥完成・引き渡し【1ヵ月程度】
工事が完了し、引き渡し日の1ヵ月前になったら「竣工」となります。
この段階で住宅会社が仕様書や設計図通りに家がつくられているかを確認する、「竣工検査」を行います。
検査は施主の立会も可能なので、設備や建具に不具合がないか、傷や汚れがないかを入念に確認しましょう。
家に不具合が見つかった場合、申請のうえ直してもらいます。
不具合がなければ、工事代金を支払ってハウスメーカーから鍵や各種保証書、設備の取扱書を受け取ります。
これでようやく家の引き渡しとなるため、住所変更の手続きや引っ越し準備に取り掛かりましょう。
なお、引き渡し後に気になることがあった場合の連絡先や、引き渡し後の点検スケジュールなども確認しておくと安心です。
まとめ
注文住宅の計画から引き渡しまでの期間は、少なくとも6ヵ月以上の期間を要します。
ただし依頼先や所有している土地の有無、打ち合わせの進み具合などによって変動するため、余裕のあるスケジュールを組むことが大切です。
流れから入居予定日までの期間を逆算すれば大まかなスケジュール感が分かるので、適切にスケジュール管理をしながら理想の住まいをつくりあげましょう。
この記事の監修
アットホームラボ代表 青木真大(あおきまさひろ)
二級建築士、二級建築施工管理技士
2006年建築デザイン学部を卒業後、東京と新潟の建築事務所にてデザイン実務を経て、株式会社アオキ住建へ入社。 建築業界で15年間の設計、現場監督経験を経て、住宅事業部の責任者として1,500件以上の新築及び大規模リノベーションに関わる。
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