雪国ならではのインナーガレージを建てるメリット・デメリットをご紹介
インナーガレージは、雪がたくさん降る地域の住宅にとても相性の良い設計です。
今回は、豪雪地帯である新潟県上越市で家づくりをしているアットホームラボが、雪国ならではのインナーガレージを建てるメリットについて施工事例を交えてご紹介します。
インナーガレージのデメリットや費用相場についても解説するので、参考にして頂ければと思います。
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インナーガレージとは
インナーガレージとは、建物の内部に作るガレージのことです。
建物の1階の一部または全部を駐車場にする形が一般的です。
「インナーガレージ」または「ビルトインガレージ」とも呼ばれます。
北欧などの住宅で多く採用される設計ですが、最近では日本の都市部にも多く見られます。
インナーガレージにすれば、敷地面積が狭くても駐車スペースを設けられるからです。
その他にも、インナーガレージには様々なメリットがあります。
雪国でインナーガレージを建てるメリット
そもそも北欧でインナーガレージが一般的なのは、インナーガレージが積雪に強いからです。
そのため、日本でも豪雪地帯の住宅には、インナーガレージが向いているのです。
まずは、雪国ならではの、インナーガレージの住宅を建てるメリットについてご紹介します。
メリット①:車に雪が積もらない
まず最大のメリットは、車に絶対に雪が積もらないということです。
もちろん、積雪地で屋根もつけない青空駐車場というのはあまりないと思います。
しかし一般的な屋外に設けるカーポートの場合でも、屋根があっても横から雪は吹き込みます。
豪雪地帯の場合、1メートル以上の積雪に耐えうるカーポートの強度にも注意しなければなりません。
車に雪が積もってしまうと、車の破損や故障の原因になってしまいます。
積雪の多い地域では、大雪から車を守る対策は必須と言えるでしょう。
インナーガレージの場合は、車をすっぽりと建物の中に内包するので積雪の心配がありません。
開口部に頑丈なシャッターなどを設置しておけば、外でどれだけ雪が積もっても車には影響がありません。
大切な愛車が堅牢に守られるため、車やバイクが趣味の方にもインナーガレージは人気があります。
車へのいたずらや盗難を防ぐ防犯の面でも、インナーガレージは最も安全なスタイルです。
メリット②:大雨や猛吹雪でも車の乗り降りには影響がない
インナーガレージには、車の乗り降りが楽という大きなメリットもあります。
建物の中に車を停めるため屋外を歩かなくて良いので、大雨が降っていても濡れることがありません。
家から駐車場まで、少しの距離で傘を差し、びしょびしょになった傘を車に持ち込むのは結構面倒ですよね。
特に雪国の場合には、猛吹雪の中でも安全に車を乗り降りできるので安心です。
雨や雪に濡れることなく、周囲の安全に気を配る必要もありません。身体の不自由な方や小さなお子様もゆっくり乗り降りでき
て、道路への飛び出しの心配もありません。
風で飛んできた物が車にぶつかって傷がつくことや、風雨による汚れも防げます。
また、車ごと建物の中まで入れるので歩く動線が短くなり、たくさん荷物があっても楽に運べます。
日常的に車を使う場合、かなり便利で、快適さを感じられると思います。
メリット③:庫内を広くすればタイヤ交換がガレージでできる
雪国での車を使う生活には、冬用タイヤへの交換が必須です。
なかなかの重労働となるこの作業も、インナーガレージなら屋内でできるのが嬉しいメリットです。
車庫の広さには多少余裕が必要ですが、タイヤの保管も交換も、ガレージ内なら安全で快適です。
車が趣味で、メンテナンスなど楽しみたい方にとっては、インナーガレージは趣味の部屋にもなります。
工具などを並べておく収納棚を作っておくのも良いでしょう。
メリット④:雪かき用の道具などを収納できる
インナーガレージには、広々とした物置としての役割もあります。
室内には持ち込みたくない物を、普通なら屋外の物置か、玄関の土間などに置いておくしかありません。
しかしインナーガレージがあれば、屋外と屋内の中間地点として、様々な物の収納に役立ちます。
たとえば雪国の生活なら、雪かきの道具なども収納できるでしょう。
結構スペースをとる雪かきの道具でも、インナーガレージの一角に置けばあまり邪魔には感じません。
他にもアウトドアグッズ、自転車やベビーカーなども置けて、インナーガレージの収納スペースは何かと便利なのです。
雪国のインナーガレージ付き住宅の施工事例
それでは実際に、豪雪地帯である上越市でアットホームラボが手がけたインナーガレージ付き住宅の施工事例を2件ご紹介いたします。
施工事例①:無駄のない回遊動線を描く インナーガレージの家
こちらは、上越市のT様邸。無駄のない動線作りにこだわったおうちで、最初からインナーガレージを計画されていました。
電動シャッター付きの広々としたインナーガレージは、雨や雪に濡れることなく乗り降り楽々。
ガレージからそのまま玄関のシューズクロークに繋がっているので、動線が短く、とても便利です。
収納スペースとしても有効活用できるよう、壁面には造作棚をあつらえました。
施工事例②:ナチュラル+アイアンが絶妙 伸びやかな吹き抜けリビング
こちらは、上越市のA様邸。ご主人の希望でインナーガレージを作りました。
シャッターを下ろせば大切な車はしっかり守られ、雨や雪にさらされることはありません。
レッドシダーを使用した玄関は温もりを感じるデザインに仕上がりました。
雪国でインナーガレージを建てるデメリット
メリットだけでなく、次は、インナーガレージのデメリットについても解説したいと思います。
デメリットについては、雪国だからこそのデメリットという点は特にありません。
インナーガレージを建てる際の、一般的なデメリットをご紹介いたします。
デメリット①:費用が高くなる
第一のデメリットというか難点は、インナーガレージを作ると費用が高くなってしまうことです。
屋外に一般的なカーポートを作るのと比べて、やはりインナーガレージは高額になります。
間口を広く取るため頑丈な構造にしなければならず、材料費もかかります。
便利だから、と簡単にインナーガレージの採用を決められない一番の理由はここにあります。
デメリット②:居住スペースが狭くなる可能性がある
次に大きなデメリットは、インナーガレージによって居住スペースが圧迫される可能性があることです。
1階全体をインナーガレージにして、2階・3階に通常の住宅を乗せるようなイメージの間取りなら問題ありません。
ただ、1階の一部スペースをインナーガレージに割くような間取りだと、居住空間が減ってしまうことになります。
全体の敷地面積が広く、インナーガレージを追加しても余裕がある場合は問題ありません。
ただ、インナーガレージを作るためにリビングが狭くなる場合や、1階の部屋がひとつ減る場合には悩ましい選択となるでしょう。
デメリット③:換気・照明設備の設置や振動対策が必要
インナーガレージを作るには、建物内に車を格納するために、追加で必要になる設備もあります。
まず、屋内では排気ガスがこもってしまうので、換気の設備が必要です。
車を安全に出し入れしたり、メンテナンスしたりするための照明も必要です。
また、間取りや、家族の生活時間帯によっては丁寧に振動対策をしておいた方が良いこともあります。
たとえばこども部屋がインナーガレージの上にあって、遅い時間に仕事から帰ってくる場合など、音や振動が上階に伝わって眠を妨げてしまう可能性もあります。
リビングから愛車を眺められるような構造にする時も、居住空間に排気ガスや振動の影響がないよう工夫する必要があるでしょう。
そういった設備を整えるにも、やはり追加の費用が発生してしまいます。
雪国でインナーガレージを建てるときの費用相場
メリットの大きいインナーガレージですが、やはり一番の難点は費用にあると言えるでしょう。
どれくらいの費用がかかるのか気になる方も多いと思うので、インナーガレージの費用相場についても解説します。
ただし、これらはあくまで費用の目安であり、様々な要因で変動することをあらかじめご了承ください。
インナーガレージの費用相場は、よく坪単価50〜80万円程度と言われます。
車1台分の広さでおよそ250万円〜、2台分で450万円〜ほどということです。
もちろんどのようなインナーガレージを作るかによって費用は大きく変動します。
ハウスメーカーによっても設定金額は大きく違ってくるので、あくまで大まかな目安としてご理解ください。
まとめ
インナーガレージを建てることは、特に雪国での生活にとって大きなメリットがあります。
アットホームラボは、豪雪地帯である新潟県上越市で家づくりをしているため、雪国での家づくりに豊富な知識と技術を持っています。
インナーガレージ付きの住宅に興味をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
この記事の監修
アットホームラボ代表 青木真大(あおきまさひろ)
二級建築士、二級建築施工管理技士
2006年建築デザイン学部を卒業後、東京と新潟の建築事務所にてデザイン実務を経て、株式会社アオキ住建へ入社。 建築業界で15年間の設計、現場監督経験を経て、住宅事業部の責任者として1,500件以上の新築及び大規模リノベーションに関わる。
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