漆喰壁とクロスの価格差はどれぐらい?それぞれのメリットデメリットもご紹介
壁は家全体の雰囲気づくりに大きな影響を与えます。
機能性が高い漆喰壁にするべきか、色柄の種類が豊富なクロスにするべきか、悩む方も多いのではないでしょうか。どちらにしようか迷った際、気になるのはその価格差。漆喰壁とクロスにはどのくらい価格差があるのかチェックしておきましょう。
また、漆喰壁とクロスにはそれぞれメリットとデメリットがあります。コスト面で比較するだけでなく、機能性や将来のことも考えて選ぶことも重要です。
漆喰とクロスの価格差
漆喰とクロスでは、一般的には漆喰の方がクロスよりも費用は高くなります。
自然素材である漆喰は、材料費の時点でクロスよりも高価。また、施工にも手間や時間がかかるため、人件費、下地処理費、養生用の材料費などがかかります。
商品や施工業者にもよりますが、漆喰は材料費だけでも2,000円/㎡以上。施工費込みだと4,000円/㎡以上になることが多いようです。
一方、クロスの場合は、商品により価格差はありますが、ビニールクロスは安いものだと材料費は500~1,000円/㎡程度で入手可能。施工費込みでも1,000~2,000円/㎡程度と、安い金額でクロスを貼れます。
商品によって差はありますが、一般的には漆喰とクロスではかなり金額に差が出るもの。
漆喰はクロスの金額の5倍程度の費用がかかると言われています。
費用の抑え方
費用を抑えるポイントとしては、まずは費用相場を把握しておくこと。
業者に相談する際には相見積もりをするなどして、できるだけ安く品質の良い工事をしてくれる業者を選びましょう。施工相談の際にはあらかじめ予算を伝えておくことも大切です。
また、施工面積を少なくすることも有効です。ただし、漆喰壁などの自然素材の場合は、塗る面積が少なくなると調湿性などの機能も十分に発揮できなくなります。
費用が高くなる割にメリットが少ないことがないように、施工面積の調整はよく考えて決めましょう。
新築やリフォームであれば、初めからお目当ての壁が標準装備されている住宅会社がおすすめです。別途壁材指定や塗り直しの必要がありませんので、お得に好みの壁になります。
人件費を削減するのであればDIYもひとつの手。
ただし、勢いだけでやってしまうと失敗に繋がりますし、かえって直す費用がかかってしまいかねません。きちんと材料を揃え、入念な準備をした上で作業する必要があります。
漆喰のメリット
古くから人々に好まれ使用されてきた漆喰。見た目の美しさ以外にも、漆喰には様々なメリットがあります。住宅の壁に漆喰を使用する際のメリットを見ていきましょう。
メリット①:劣化しにくい
漆喰は、現在まで美しい姿を残しているお城やお寺の壁材として使用されてきました。
お城やお寺を見ればわかる通り、漆喰は劣化しにくい耐久性の高さが特徴です。耐久年数は100年とも言われています。
室内・室外ともに使用でき、時間が経っても綺麗。多少のことでは剥がれ落ちることもありません。
素材の性質上、静電気を溜め込まないため、ホコリが溜まりにくいのもメリットのひとつ。住宅の内壁に使えば、日頃の掃除もしやすいでしょう。
メリット②:調湿性能が高い
漆喰は「呼吸する壁」と呼ばれ、調湿性にも優れています。漆喰には細かい穴が開いており、その穴が湿気をコントロールします。湿度が高い時には余分な水分を吸い取り、湿度が低い時には水分を放出するという調湿機能があります。
また、強アルカリ性のため、臭いの元となるカビや細菌を分解してくれるのもポイント。調湿性の高さに加え、脱臭抗菌効果も期待できます。
メリット②:耐火性が高い
漆喰は不燃材料であるため、万が一火事になった場合でも火が広がりにくい特性があります。
また、化学製品が燃えた際には有毒ガスが発生しますが、漆喰は自然素材であるため有毒ガスの発生も防げるのが特徴です。
一般的なビニールクロスに比べて、安全性が高い素材と言えるでしょう。
【関連記事】漆喰を塗り壁材に使う魅力を徹底解説
漆喰のデメリット
漆喰は見た目の美しさはもちろん、機能性にも優れている壁材です。
一方で、住宅に取り入れる場合にはデメリットもあります。漆喰壁を検討する際には、きちんとデメリットもチェックしておくことも大切です。
デメリット①:コストがかかる
漆喰壁はクロスに比べてコストがかかります。
漆喰壁を塗る際には、養生から下地処理、仕上げ塗りと工程を経る必要があるため、時間や技術が不可欠です。
職人さんが手作業で塗っていくため、工期も長く人件費もかかります。
とにかく安く済ませたい場合には、コストの高い漆喰はおすすめできません。
デメリット②:メンテナンスの手間がかかる
耐久性が高い漆喰ですが、白く美しい見た目をキープするには日頃のメンテナンスが必要です。
特にスイッチ回りに手あかが付くことが多いのが注意点。
軽度な汚れであれば消しゴムや紙やすりなどで簡単に落とすことができますが、汚れがしみ込んでしまったり落とせないレベルにまで広がってしまったりすると、汚れ落としが厄介です。汚れが付いたらできるだけ早く汚れを落とすようにしましょう。
デメリット③:ひび割れの可能性がある
漆喰は伸縮性が低いのが特徴です。乾燥によって硬くなる性質があるため、地震の揺れがきっかけでひび割れができる可能性もあります。
また、施工時に下地処理が甘かったり、適切な材料を使わなかったりすると、後々のひび割れリスクに繋がることも。
長く使うことを考えて、業者選びは慎重に行いましょう。
クロスのメリット
簡単に貼り替えられ、色や柄などの種類も豊富なクロス。業者に依頼する以外にも、自分で貼ることも可能です。
手軽さが魅力でもあるクロスを選ぶメリットを見ていきましょう。
メリット①:コストが安い
クロスのメリットは何と言ってもコストの安さ。ビニールクロスは壁仕上げ材として最も安いと言われています。
漆喰に比べて施工も簡単なため、工期が短くて済むのもポイント。
DIYとして自分でクロスを貼る人も多いでしょう。DIYならさらに費用を抑えることができます。
安価で気軽に貼り替えができるのはクロスの大きなメリットです。
メリット②:メンテナンスしやすい
クロスの中でも人気が高いビニールクロスは、素材がビニールでできているため、水や汚れに強いのが特徴です。
汚れてしまった場合でも、拭き取ることができます。洗剤にも比較的強いので、毎日のお手入れが楽なのも、クロスの特徴と言えるでしょう。
クロスのデメリット
安価でメンテナンスのしやすさが魅力のクロスには、デメリットもあります。
大切な住宅の壁材として選ぶ際には、施工時の安さだけでなく、長い目で見ることも大切です。
クロスのデメリットを知って、後悔しない壁材選びをしましょう。
デメリット①:調湿性能が低い
クロスの場合には漆喰のような調湿性の高さはありません。
クロスは調湿性や通気性が低いため、換気をしないと結露やカビの原因にもなってしまいます。
クロスの中には防カビ機能をもった商品もありますので、クロスを選ぶ際には機能面に優れたものを選ぶと良いでしょう。
デメリット②:寿命が短い
クロスは安価で手に入れられますが、劣化しやすいのがデメリットです。
年月が経つにつれて、変色したり継ぎ目が剥がれたりと、劣化が目立つようになります。
クロスの場合、劣化した部分のみの補修は困難。したがって、基本的には全面的に貼りかえる必要があります。
一般的にクロスの貼り替えは、10~15年が目安。基本的にクロスは寿命が短いという点は、抑えておくべき注意点です。
まとめ:漆喰とクロスで悩んだら価格差だけでなくメリット・デメリットもチェック
漆喰はクロスに比べて約5倍のコストがかかります。クロスの方が低コストで施工できますが、壁材選びの際にはそれぞれのメリットやデメリットを知ることが重要です。
コストは高くなりますが機能性に優れている漆喰。耐久性は低いけれど安く手軽に施工できるクロス。様々な面から比較して、予算や暮らし方に合った壁材を選びましょう。
漆喰壁の施工においては、業者選びもポイントです。漆喰壁の施工経験や高い技術力を持った業者に依頼すれば、美しく機能性に優れた漆喰壁を長く保つことができるでしょう。
アットホームラボは、漆喰壁をはじめ自然素材にこだわった家づくりをしています。
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この記事の監修 アットホームラボ代表 青木真大(あおきまさひろ)
二級建築士、二級建築施工管理技士
2006年建築デザイン学部を卒業後、東京と新潟の建築事務所にてデザイン実務を経て、株式会社アオキ住建へ入社。 建築業界で15年間の設計、現場監督経験を経て、住宅事業部の責任者として1,500件以上の新築及び大規模リノベーションに関わる。
新築だけでなくリフォームも承っておりますので、気になる方は是非無料相談会にご参加ください!
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