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漆喰壁のカビを除去する方法3つ!原因や予防する方法も解説

家づくりの知識2024.07.23

漆喰壁は「呼吸する壁」と言われるように、室内の湿気を吸ったり吐いたりする吸放湿性能があります。

カビの発生の原因となる湿気を吸うため、カビが発生しにくい環境を作るのに適した壁材と言えるでしょう。

また、強アルカリ性である漆喰はカビの発生を抑制する働きがあるのも特徴です。

 

ただし、カビに強い性質があるとは言え、条件を満たしてしまえば漆喰壁であってもカビは発生します。

漆喰壁のカビを除去する方法とともに、カビの発生原因や予防法をチェックしていきましょう。

 


 

 

漆喰壁のカビを除去する方法3つ

カビに強い漆喰壁ですが、暮らしの中でカビが発生してしまうことがあります。

もし漆喰壁にカビが発生したらどうしたら良いのでしょうか。

漆喰壁のカビを除去する方法を3つご紹介します。

 

 

除去する方法①:エタノールで拭き取る

壁の表面に発生したカビにはエタノールが有効です。

壁自体の色が変わってしまうリスクがないので、表面に付着した程度のカビであればエタノールが良いでしょう。

 

壁に付いたホコリを払ってから、タオルやティッシュ、キッチンペーパーなどのエタノールをしみこませ、カビの部分に貼り付け5分程度放置したのち、優しく拭き取ります。

擦ってしまうとカビが広がる可能性がありますので、毛先の柔らかいブラシで落とすのもおすすめです。

拭き取った後はしっかりと乾燥させましょう。

 

 

除去する方法②:カビ取り剤をふきかける

エタノールで拭き取れないカビには、塩素系のカビ取り剤を吹きかけます。

カビ取り剤は薬剤ですので、使用する際にはゴム手袋、マスク、ゴーグルを装着しましょう。

 

また、漂白効果がある分、床などに付くと色が変わってしまう危険性があります。除去作業の前には床や作業箇所以外をしっかりと養生してください。

壁自体の色も変色する可能性がありますので、初めからたっぷり使用するのではなく、少しずつ様子を見ながら作業を行いましょう。

 

また、カビ取り剤を使用すると、ツーンとした臭いが2~3日残ることがあります。臭いが気になる場所での使用には注意が必要です。

 

 

除去する方法③:塗り直す

エタノールやカビ取り剤でも除去できない場合は、壁自体を塗り直すのもひとつの手です。

 

漆喰壁を塗り直す場合、カビが生じた一面だけを塗り替えると、その面だけ色が変わってしまうことがありますので注意しましょう。

 

また、漆喰壁を塗り替える場合は、しっかりと下地処理や殺カビ処理を行う必要があります。

綺麗な壁に仕上げるためには、漆喰壁に関する知識や塗り直し技術がある業者に依頼しましょう。

 

 

漆喰壁にカビが生える原因

カビの元になる胞子は、目には見えませんが至る所に浮遊しています。

生育する4つの条件が揃うと、胞子は一気に繁殖してカビとして出現するのです。その4つの条件とは、湿度・温度・栄養・酸素のこと。

以下で詳しく見ていきましょう。

 

  1. 湿度:60%以上であること。相対湿度80%以上がカビの発生には適しています。梅雨や日陰、植栽付近、水田や溜め池付近でも湿度が上がり、カビの発生には好条件です。
  2. 温度:気温15~30度でカビは育成可能。気温20~28度程度が、カビの繁殖には最適な温度です。夏場はもちろん、冬場でもカビは発生します。
  3. 栄養:カビは水やホコリなどの有機物が栄養源です。その他にも、食品、髪の毛、手あかなどもカビの栄養となってしまいます。
  4. 酸素:カビの発生には酸素が必要です。微量でもカビは繁殖できるので、人間が生活する環境は、カビの発生条件を十分満たしています。

 

漆喰壁はカビに強い性質を持っていますが、これらの条件を満たせば、浮遊していた胞子は菌糸を伸ばして生育。漆喰壁の表面にもカビは発生してしまいます。特に原因となりやすい状況をチェックしていきましょう。

 

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原因①:雨

雨はカビの大きな原因のひとつ。

壁面の水切れが悪い状態が続くと、漆喰壁の表面から雨水が侵入し、壁の中の水分が飽和状態になってカビが繁殖します。

 

また、水分を栄養源にカビが発生することもありますので、室内の場合には結露にも注意が必要です。特に雨が続く梅雨の季節には気を付けましょう。

 

漆喰壁を塗る際の下地処理が甘いと、水が溜まりやすくなることがあります。後々のことも考え、しっかりと施工してくれる業者を選ぶことが大切です。

 

 

原因②:エアコンの漏水

エアコンの漏水によって、室内の湿度が上がってカビが発生することがあります。壁に漏れた水が付着している状態が続くと、カビに限らず壁のダメージに繋がりますので注意しましょう。

 

また、エアコンが漏水しているということは、エアコン内部に水が溜まっている状態です。

エアコン内部にもカビが発生していれば、部屋の中にカビが撒き散らされてしまい、アレルギー症状を引き起こす原因にもなります。漏電や火災の危険性もありますので、エアコンの漏水を見つけたらすぐに対処しましょう。

 

 

原因③:風通し

カビは湿気が大好物ですので、風通しが悪い環境ではカビが発生しやすくなります。

日当たりや風通しが悪い場所や、樹木・土埃が多い場所にも要注意。湿度が高くなりやすいお風呂場や台所付近、あまり窓を開けない部屋ではカビの発生リスクが高まります。

 

 

漆喰壁のカビを予防する方法

カビが生育する条件の中でも、特に気を付けたいのは湿度です。

風通しが悪い場所や湿気が溜まりやすい場所では、特に注意しましょう。

軽度であれば漆喰壁のカビの除去は可能ですが、できればカビが発生する前に防ぎたいもの。日常的にできるカビ予防の方法をご紹介します。

 

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方法①:換気をする

カビ発生に最も有効なのは換気。風通しを良くして空気を循環させることが、カビ予防の基本です。

漆喰壁には吸放湿性能があるのが特徴。水分を吸ったままにさせず、こまめに換気することで、壁からしっかり水分を吐き出させましょう。

 

また、北側の部屋には特に注意が必要です。北側は日が当たりにくいため、冷気が溜まりやすくなります。

湿度は暖気とともに寒い場所に流れていきますので、北側の部屋は湿度が上がりやすくなります。特に冬場は窓を閉め切ってしまいがちなので、意識的にこまめに換気して空気を循環させましょう。

 

 

方法②:常に気を付ける

漆喰壁のある部屋の状況には常に気を付けておくことが大切です。特に湿度には気を配っておきましょう。

 

雨などによる湿度の高まりはもちろん、水回りのケアもポイント。

例えば常に濡れた状態になるシンクの三角コーナーや洗面台などは、日頃から乾燥させるように意識しておきましょう。

 

また、壁に水分が付着したときはすぐに拭き取ること。水分が溜まった状態を放置してしまうと、カビは意外とすぐに発生してしまいます。

 

 

まとめ:漆喰壁のカビ除去は自分でできる!日頃のケアも大切に

漆喰壁はカビに強い性質を持っていますが、カビの発生条件が揃えばカビは発生してしまいます。特に湿度には注意が必要です。

もし漆喰壁にカビが付いてしまった場合は、まずはエタノールで拭き取りましょう。しつこいカビにはカビ取り剤も有効です。

 

軽度なカビであれば自分で除去可能ですが、大切なのは日頃から部屋を換気して空気を循環させておくこと。雨のときはもちろん、水回りや湿度が高くなりやすい場所には特に注意が必要です。

 

漆喰壁の調湿性を高めるためには、壁を塗る際の技術もポイント。

アットホームラボでは湿気に強い漆喰壁の施工実績を豊富に持っています。

実際の暮らしや住宅性能はどうなのか、資金計画や土地選びまで、住宅に関するあらゆる相談が可能です。漆喰壁や住宅についてのご相談は、アットホームラボの無料相談会をぜひご利用ください。

 

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この記事の監修

アットホームラボ代表 青木真大(あおきまさひろ)
二級建築士、二級建築施工管理技士


2006年建築デザイン学部を卒業後、東京と新潟の建築事務所にてデザイン実務を経て、株式会社アオキ住建へ入社。 建築業界で15年間の設計、現場監督経験を経て、住宅事業部の責任者として1,500件以上の新築及び大規模リノベーションに関わる。

 

新築だけでなくリフォームも承っておりますので、気になる方は是非無料相談会にご参加ください!


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