木造軸組工法とは?メリット・デメリットを知って納得の家づくりをしよう
木造軸組工法(もくぞうじくぐみこうほう)は、日本の伝統的な建築技術として広く採用されている建築工法です。
柱と梁(はり)を組み合わせた構造のため間取りの自由度が高く、ライフスタイルに合わせた住まいを実現しやすい点が特徴です。
しかし、木造軸組工法にはメリットだけでなく、施工の品質が職人の技術に左右されやすいなどのデメリットも存在します。
この記事では、木造軸組工法のメリットやデメリットについて解説します。
ツーバイフォー(2×4)工法との違いも紹介するので、理想の住まいを実現したい方は、参考にしてください。
木造軸組工法とは
木造軸組工法は日本の伝統的な建築手法の1つで、在来工法(ざいらいこうほう)とも呼ばれています。
柱(縦の構造材)と梁(横の構造材)を組み合わせて骨組みを形成し、柱と柱の間に取り付ける斜材の筋交い(すじかい)を用いて補強することで耐震性を高めています。
木造軸組工法は設計の自由度が高く、ライフスタイルに合わせた住まいを実現しやすい点が特徴です。
また、木材の調湿効果によって湿度が適正に保たれやすいのも魅力です。
特に日本の気候や地震に適した工法として発展してきた背景があり、法隆寺の五重塔などの歴史的な建造物にも活用されています。
なお、林野庁の発表によると、木造の新設住宅着工戸数(2021年)における木造軸組構法のシェアは79%とされています。
ツーバイフォー(2×4)工法との違い
木造軸組工法とツーバイフォー(2×4)工法は、どちらも木造住宅で採用される代表的な工法ですが、構造や特性には大きな違いが存在します。
木造軸組工法は、柱と梁を組み合わせた「線」で建物を支える構造で、設計の自由度が高い点が特徴です。
一方、ツーバイフォー工法は壁や床といった「面」で建物を支えるため、耐震性や気密性に優れています。
施工面において木造軸組工法は現場での加工や組み立てが多く、仕上がりが職人の技術に左右されやすい傾向にあります。
対して、ツーバイフォー工法は工場で生産したパネルを現場で組み立てるので、品質が安定しやすく工期も短いのが特徴です。
両者ともメリットとデメリットが存在するため、希望条件の優先順位を明確にしたうえで、住宅会社を選択しましょう。
木造軸組工法のメリット
木造軸組工法の主なメリットは、以下の4つです。
- 間取りの自由度が高い
- リフォームやリノベーションがしやすい
- 開口部が広く取れる
- 施工できる住宅会社が多い
それぞれのメリットを詳しく解説するので、参考にしてください。
メリット①:間取りの自由度が高い
木造軸組工法の最大のメリットは、間取りの自由度が高い点です。
柱と梁で建物を支える構造は、壁の配置を調整しやすいため柔軟に間取りを設計できます。
たとえば、広々としたリビングや吹き抜けのある開放的な空間など、ご自身と家族の要望を詰め込んだ住まいを実現できます。
また、狭小地や変形地などの特殊な敷地条件において、土地の形状を最大限に活かした設計ができるのも木造軸組工法ならではの特徴です。
メリット②:リフォームやリノベーションがしやすい
リフォームやリノベーションがしやすいのも、木造軸組工法のメリットです。
木造軸組構法は主に柱と梁で強度を確保するため、壁の撤去や移動が難しくありません。
たとえば、将来的に子ども部屋を仕切ったり、壁を取り払って広いリビングを作ったりすることも可能です。
また、木造軸組構法は増築にも対応しやすく、必要に応じて部屋数を増やせる点も魅力です。
なお、ツーバイフォー工法は壁で建物を支える構造のため、大規模なリフォーム・リノベーションが難しい傾向にあります。
リノベーションの後悔ポイントを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【関連記事】リノベーションで後悔した3つのポイントとその対策についてわかりやすく解説
メリット③:開口部が広く取れる
木造軸組工法は壁の配置に制約が少なく、開口部を広く取れるのが大きなメリットです。
たとえば、リビングやダイニングに大きな窓を設けることで自然光をふんだんに取り入れられ、開放的な住空間を実現できます。
南向きに大開口の窓を確保すれば、冬場は太陽の熱を取り込み室内を暖かく保つ効果も期待できます。
また、大開口の窓を設置すると視界を遮る壁が少なくなるため、庭との一体感を演出しやすくアウトドアリビングのような空間づくりも可能です。
メリット④:施工できる住宅会社が多い
木造軸組工法は日本国内でもっとも普及している工法の1つであり、多くの住宅会社が施工に対応しています。
そのため、依頼できる会社の選択肢が広がり、希望に合った住宅会社を見つけやすい点が大きなメリットです。
また、施工できる住宅会社が多ければ価格やプランを比較検討しやすく、コストを抑えながら理想の住まいを実現できます。
地元密着型の住宅会社も多数存在しているため、地域の気候や風土に合った家づくりができるのも魅力です。
木造軸組工法のデメリット
木造軸組工法のデメリットは、以下の4つです。
- 耐震性が低い
- 職人の技術差が出やすい
- 工期が長くなる
- コストが高い傾向がある
それぞれのデメリットを解説するので、参考にしてください。
デメリット①:耐震性が低い
木造軸組工法は設計の自由度が高い反面、鉄骨造やコンクリート造と比べて耐震性の低さがデメリットです。
鉄骨住宅の耐用年数が47年に対し、木造住宅における耐用年数は22年となります。
柱と梁で構造を支える構造のため、適切な耐震補強が施されていない場合、十分な強度が確保されない可能性があります。
耐震性を高めるには、制震ダンパーや耐力壁の適切な配置が有効です。
デメリット②:職人の技術差が出やすい
木造軸組工法は手作業が多く求められる工法であるため、職人の技術差が出やすい点がデメリットです。
熟練した職人が施工すれば高品質な住宅を建てられますが、経験の浅い職人が担当すると耐震性・耐久性に影響を及ぼす可能性があります。
また、施工精度が低いと、隙間が生じて気密性や断熱性も低下してしまいます。
そのため、木造軸組工法の住宅を建築する際は、信頼できる住宅会社に依頼するのが重要です。
デメリット③:工期が長くなる
木造軸組工法は現場での手作業が多く、工期が長くなりやすい点がデメリットです。
柱や梁を組み立てる工程に加え、耐震補強や細かい調整も必要になるため、施工期間は長くなる傾向にあります。
また、木造軸組工法は熟練の職人による施工が必要なため、人手不足が原因で工期が延長されるケースも少なくありません。
工期を短縮するためには熟練の職人が多数在籍し、スケジュール管理をしっかりしている住宅会社を選ぶのが大切です。
なお、家づくりの詳しい流れを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【関連記事】家づくりの流れ9ステップとかかる期間をわかりやすく紹介
デメリット④:コストが高い傾向がある
コストが高くなりやすいのも、木造軸組工法のデメリットです。
木造軸組工法は使用する建材の量が多く、高品質なものを選ぶとすぐに材料費が上がってしまいます。
また、現場での手作業が多く工期が長くなりやすいため、人件費や仮設設備の維持費が高くなりやすいのも特徴です。複雑な設計を採用すると施工がさらに長くなることも珍しくありません。
しかし、アットホームラボでは、創業100年以上の建材会社を母体に持つ強みを活かしてコストを大幅に削減しています。
設計士や宅地建物取引士に直接相談できる無料相談会も実施しているため、資金計画や間取りにお悩みの方はお問い合わせください。
木造軸組工法の家づくりはアットホームラボへ
アットホームラボは、新潟県の気候や風土に適した高性能な木造軸組工法の住宅を提供しています。
気密性・断熱性の高い家づくりを行い、一年を通して快適に暮らせる住環境を実現します。
木造軸組工法の住宅は自由度が高いがゆえに、どのような間取りやデザインを採用すべきかで迷ってしまう方も多いでしょう。
具体的な間取りをイメージしたい方は、施工事例をチェックするのがおすすめです。
木造軸組工法の施工事例を多数公開しているため、住まいづくりの参考にしてください。
まとめ:木造軸組工法について
木造軸組工法は間取りの自由度が高く、ライフスタイルや敷地条件に合わせた住宅を実現できる点が魅力です。
対応できる住宅会社が多いため、複数の会社を比較検討できるのもメリットです。
一方で、木造軸組工法には耐震性が低い、コストが高くなりやすいなどのデメリットも存在します。
そのため、木造軸組工法の家を建築する際は、住宅会社の選定は慎重に行わなければなりません。
アットホームラボでは、木造軸組工法の特性を活かした住まいづくりについて直接話せる無料相談会を実施しています。
新潟近郊で家づくりを検討している場合は、お気軽にご予約ください。
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この記事の監修 アットホームラボ代表 青木真大(あおきまさひろ)
二級建築士、二級建築施工管理技士
2006年建築デザイン学部を卒業後、東京と新潟の建築事務所にてデザイン実務を経て、株式会社アオキ住建へ入社。 建築業界で15年間の設計、現場監督経験を経て、住宅事業部の責任者として1,500件以上の新築及び大規模リノベーションに関わる。
新築だけでなくリフォームも承っておりますので、気になる方は是非無料相談会にご参加ください!
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