中庭のある家は後悔する?後悔するポイントや対策方法についても解説!
マイホームに中庭が欲しいと思っている方は多いことでしょう。
中庭があれば子供を安全に遊ばせたり、人目を気にせず好きなように庭をデザインできるからです。
しかし場合によっては、マイホームに中庭を作ったことで後悔してしまうこともあり得ます。
しっかりとポイントを押さえずに中庭を作ってしまうと、中庭の持つデメリットの部分が大きくなってしまい、取り返しのつかないことになりかねません。
この記事では中庭を作って後悔するポイントやその対策、そしてきちんと中庭を作った場合のメリットなどについて解説します。
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中庭のある家で後悔するポイント
家に中庭を作って後悔するポイントとしては、以下の5つが挙げられます。
- 冷暖房効率が悪くなる
- 湿気がこもりやすい
- 手入れが大変
- 動線が長くなる
- 居住スペースが狭くなる
1つ1つ見ていきましょう。
ポイント①:冷暖房効率が悪くなる
中庭のある家は、必然的に窓の数が多くなります。
中庭からの光を取り込めることは大きなメリットであり、中庭を設けた以上はたくさんの窓を設置するのが一般的です。
しかし窓をたくさん設置することによって、住宅としての断熱効果が落ちてしまいます。
結果として、夏は室温が上がりやすく、冬は室温が下がりやすいという不都合な状態に陥りがちです。
対策として冷暖房を強く効かせる必要があるため、光熱費が上がってしまうことが往々にしてあります。
ポイント②:湿気がこもりやすい
中庭は周囲を建物に囲まれているため、湿気がこもりやすい性質があります。
とくに雨が降ったあとには、ジメジメとした状態が続いてしまうことも珍しくありません。
中庭という形態の性質上、空気の流れが悪いのはある程度仕方のないことですが、湿気がこもりやすいのはデメリットであるといえます。
本来であれば中庭に出て読書やアウトドアを楽しみたかったのに、湿気が高いため中庭で楽しい時間を過ごせない、ということもあり得るでしょう。
また湿気だけではなく、大雨が降ることによって雨水が溜まってしまうこともあります。
排水の設備をしっかり整えておかなければいけません。
ポイント③:手入れが大変
家を建てる前のイメージでは、中庭はおしゃれで楽しく過ごせる夢の空間に感じられることでしょう。
しかし実際に中庭を持ってみると、おしゃれで楽しく過ごせる空間を維持するために、しっかり手入れをしなければならない現実が待っています。
とくに植物を多めに配置した中庭を作った場合、手入れは思っている以上に大変な作業となります。
油断しているとすぐに雑草が生えてしまい、おしゃれとはかけ離れた状態になってしまうでしょう。
また雪の降る地域は、除雪のことも考慮しましょう。
ポイント④:動線が長くなる
中庭を作ることによって、部屋から部屋へ移動する動線が長くなってしまうのもデメリットの1つです。
たとえばロの字型の住宅を建てた場合、建物の中央に中庭があります。
中庭を挟んだ反対側の部屋に行くためには、中庭を迂回するように移動しなければいけません。
間取りによっては無駄が非常に多い動きとなり、生活しているだけでストレスが溜まる可能性もあります。
もちろん中庭を突っ切って進むことも不可能ではありませんが、家の中を移動するのに比べて面倒ですし、真夏の暑い時期や真冬の寒い時期にはなるべく外に出る機会を少なくしたいはずです。
中庭があることで、どうしても生活動線は長くなってしまいます。
ポイント⑤:居住スペースが狭くなる
中庭を確保するために面積が必要である以上、そのぶん居住スペースは狭くなってしまいます。
中庭に夢を見て設計したものの、あとになって居住スペースの狭さに後悔し「これなら中庭は作らなければよかった」と思う可能性もゼロではありません。
中庭で快適に過ごすことはとても素敵なことですが、住宅の主役はやはり居住スペースにあります。
居住スペースをしっかりと確保できないのであれば、たとえ中庭がどれほど望み通りのものであっても、生活に満足できない可能性があります。
中庭のある家で後悔しないための対策方法5つ
中庭のある家で後悔しないための対策としては、以下の5つが挙げられます。
- 断熱性の高い窓にする
- 排水場所を確保する
- 雑草対策をする
- 生活動線を意識した間取りにする
- 敷地面積を広めにする
順番に解説します。
対策①:断熱性の高い窓にする
中庭を設けることによって窓の数が多くなり、断熱性が下がってしまうのは、中庭のある家の宿命といえます。
対策としては、断熱性の高い窓やカーテンを導入することが挙げられます。
窓の数を少なくすることは考えないほうがよいでしょう。
太陽の光をたくさん取り込めることが中庭のメリットの1つであり、窓の数を減らしてそのメリットを消してしまうのは得策ではないからです。
対策②:排水場所を確保する
雨が降ったときなどは、最悪の場合、中庭が浸水してしまう恐れがあります。
いざというときの対策として、排水場所をしっかりと確保しておきましょう。
最近ではゲリラ豪雨も多くなっているので、「たかが雨」と甘く見ることなく、しっかりとした排水システムを構築しておくことが大切です。
また排水システムを確保したら、メンテナンスも怠らないようにしましょう。いざというときに排水溝が詰まっていたら、まったく役に立たないからです。
排水同様に排雪にも気を遣いましょう。
対策③:雑草対策をする
中庭に植物を多く植えすぎると、雑草の手入れなどが非常に大変になってしまいます。
対策としては、砂利や防草シートを敷くことでそもそも雑草の生える余地を減らすことが挙げられます。
植物がたくさんある庭は確かに自然の雰囲気があってよいですが、あまり多くしすぎないのがポイントです。
砂利や防草シートを利用してすっきりさせることで、手入れの手間を減らせると同時に、清潔感のある印象を出すこともできます。
対策④:生活動線を意識した間取りにする
中庭のある家で生活動線が長くなってしまうのは、ある程度仕方がないことではあります。
しかし間取りを工夫することによって、ある程度の対策は可能です。
たとえば寝室の近くにトイレを設置したり、リビングの近くに2階へ上がる階段を設置したりすることにより、室内の移動距離を短くできます。
実際に生活し始めたときのことを事前にしっかりシミュレーションすることが大切です。住宅会社ともしっかり相談しましょう。
対策⑤:敷地面積を広めにする
中庭のある家は、土地に対してどうしても居住スペースが狭くなってしまいます。
可能であれば、あらかじめ広い敷地面積を確保しておきましょう。
もちろん敷地面積を広くするには土地代もかかるので、多くの場合には限度があります。
どうしても広い敷地を確保できない場合には、あまり大きな面積を必要としないL字型の中庭を検討してみるのもよいでしょう。
中庭のある家のメリット4つ
中庭のある家のメリットとしては、以下の4つが挙げられます。
- 家全体を明るくできる
- 風が通るようになる
- 周りの目が気にならない
- 気軽に外に出られる
どれも中庭の素晴らしいメリットです。1つ1つ見ていきましょう。
メリット①:家全体を明るくできる
中庭のある家においては、中庭に面しているすべての部屋に窓を設置できるため、家全体が明るくなります。
通常であれば光を取り込みにくい北側の部屋であっても、中庭に面していれば十分に日光を取り込めます。
メリット②:風が通るようになる
中庭を作ることで窓の数が増え、風の通り道がたくさんできるため、通気性が非常によくなります。
空気の入れ替えが簡単にできるので、気持ちのよい居住空間を日常的に維持できるようになるでしょう。
メリット③:周りの目が気にならない
中庭は普通の庭と違って、人目に留まることがほとんどありません。
ロの字型の中庭にいたっては、物理的に四方を遮断されているので完全なプライベート空間が実現できます。
ゆっくりと庭で読書をしたり、子どもやペットを安全に遊ばせたりできるのは、中庭の大きなメリットであるといえるでしょう。
メリット④:気軽に外に出られる
中庭に出るだけでも、外出したような気持ちになれます。
たとえば簡単なアウトドアであれば、わざわざどこかへ出かけなくても中庭で済ませられるでしょう。
花火やバーベキューなど、中庭で楽しめることはたくさんあります。
中庭のある素敵な家を建てよう
中庭のある家は、ポイントを押さえて建築できれば非常に快適なものとなります。
中庭を作る際には住宅会社としっかり相談して、できるだけ短所を押さえ込み、長所を活かした住宅を目指しましょう。
弊社アットホームラボでは、初めて自宅を新築するという方のご相談を随時受け付けております。
また弊社Webサイトでは、初心者に向けた住宅の解説やお問い合わせページも用意しているので、積極的にご利用ください。
まとめ
中庭を作って後悔するケースとしてどのようなものが考えられるか、どのような対策を講じればよいかといったことについて解説しました。
中庭を上手に設置できれば、自宅での生活はとても楽しいものになります。
明るくて遊び心があっておしゃれ。そんな素敵な生活も夢ではありません。
この記事を参考にして、ぜひ自分の希望に沿った、理想的な中庭付きの家を手にしてみてください。
この記事の監修
アットホームラボ代表 青木真大(あおきまさひろ)
二級建築士、二級建築施工管理技士
2006年建築デザイン学部を卒業後、東京と新潟の建築事務所にてデザイン実務を経て、株式会社アオキ住建へ入社。 建築業界で15年間の設計、現場監督経験を経て、住宅事業部の責任者として1,500件以上の新築及び大規模リノベーションに関わる。
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