平屋をおしゃれにするポイント3つ!施工事例や注意点などを解説
最近では自宅を建築する際に平屋を選ぶ方が増えています。
平屋にはたくさんのメリットがあり、現代の住宅事情・家庭事情によくなじむ性質があるからです。
どうせ平屋を建てるのであれば、できるだけおしゃれにしたいもの。
雰囲気のよい自宅を持つことができれば、落ち着いた生活ができるだけでなく、大切なお客様を招きやすくもなります。
この記事では、平屋についての基礎知識をおさらいするとともに、おしゃれにするポイントや注意点などを解説します。
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平屋とは
平屋とは、1階建てのワンフロア型住宅のことです。
1階建ての住宅自体は昔からあるので、古い日本家屋のイメージを浮かべる方も多いかもしれません。
しかし近年では、現代的なデザインの平屋が数多く建築され、多くの注目を集めています。
平屋の特徴として、2階建ての家よりも間取りを柔軟に工夫できることなどが挙げられます。
土地の広さを活用して中庭を作るなど、幅広いアイディアを実現可能。幅広い年代の方が満足度の高い生活を送れるのが人気の秘密です。
平屋のメリット・デメリット
平屋が人気を集めるのにはそれなりの理由があります。
ここでは平屋のメリットについて具体的に解説します。
同時にデメリットについても触れていくので、しっかり把握しておいてください。
どんな物事にもよい面と悪い面があり、平屋も例外ではありません。
デメリットもあわせて考慮することで、より深く平屋を理解できることでしょう。
メリット
まずは平屋のメリットですが、主なところとして以下の10個が挙げられます。
- バリアフリーな空間を実現しやすい
- 効率の良い生活動線を作れる
- 家族間のコミュニケーションが増える
- 天井を高くして開放感を持たせられる
- 自然を感じながら暮らせる
- ペットを飼っている場合に都合がよい
- ライフステージの変化に対応しやすい
- 修繕費用を抑えられる
- 地震や台風に強い
- 大きな屋根を利用して太陽光発電ができる
バリアフリーな空間を実現しやすい
平屋の最大の特徴は1階建てであることです。
つまり階段がないので、小さなお子様や高齢者のいるご家庭に優しいバリアフリーな空間を実現しやすくなっています。
2階建ての家であれば、どうしても階段を避けて通ることはできません。
階段を登りやすいように広く設計すると、階段に多くのスペースを取られてしまい、間取り全体が狭くなってしまいます。
その点、平屋であればそもそも階段も考慮する必要がないので、無理なく自宅から危険を取り除くことが可能です。
効率のよい生活動線を作れる
平屋では上下移動の必要がないので、効率がよく負担の少ない生活導線を設計できます。
買い物を2階の部屋に運んだり、洗濯物を抱えて2階のベランダに向かったりする必要がありません。
生活全体をコンパクトにまとめることが可能となります。
家族間のコミュニケーションが増える
平屋では家族全員がワンフロアで暮らすことになるため、自然な形で家族間のコミュニケーションが増えます。
声をかければすぐ相手に届く距離感なので、小さいお子様など頻繁に見守る必要がある家族がいる場合にも安心です。
天井を高くして開放感を持たせられる
平屋には2階がないため、屋根の形状に合わせて天井を高く作ることが可能です。
天井を高くすることで家全体に開放感が生まれますし、広がりを利用してロフトを設置したり大きな照明器具を取り付けたりといったこともできるようになります。
自然を感じながら暮らせる
平屋は2階建てと比べて自由に設計できるので、中央に中庭を作り、建物がそれを囲むような設計にもできます。
また、リビングから地続きのウッドデッキスペースを設けるなど、屋外と屋内をシームレスにつなぐ間取りも選択肢の1つ。
さまざまな手段で、自然を感じる暮らしを実現できます。
ペットを飼っている場合に都合がよい
段差のない平屋は、ペットにとっても暮らしやすい環境であるといえるでしょう。
犬や猫も年を取ると足腰が悪くなるため、階段の上り下りがきつくなります。
また、ペットがどこにいるかすぐ把握できる点も、平屋でペットを飼うことのメリットです。
ライフステージの変化に対応しやすい
2階を子供部屋にしていたけれど、子供が独り立ちしたあとは物置のようになってしまっている、というのはよくある話です。
しかし平屋はすべての部屋がワンフロアに集まっているので、子供が巣立って自分たちが足腰に不安のある高齢者となったときも、空き部屋を安全に活用できます。
修繕費用を抑えられる
平屋は2階建てと比べて、修繕の際に足場を組む必要がないので費用を安く抑えられるメリットもあります。
具体的なコストは修繕の度合いや使う材料にもよりますが、長期スパンでみればかなりの金額をカットできるでしょう。
地震や台風に強い
平屋はシンプルな構造であるため、耐震性が高いという特徴があります。
また横からの風を受ける部分が少ないので、下から吹き上げる風に強く、台風でも比較的安心であるというのもメリットです。
大きな屋根を利用して太陽光発電ができる
平屋の屋根は延床面積に対して大きいので、太陽光発電システムを搭載するのに適しています。
省エネになるだけでなく、停電時に非常用電源としても利用できるのが強みです。
また屋根の高さがないため、設置やメンテナンスがしやすいのも好都合な点です。
デメリット
平屋のデメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
- 十分な敷地が必要である
- 坪単価が高くなりやすい
- 日当たりが悪くなることもある
十分な敷地が必要である
建築基準法という法律で「建ぺい率」が定められており、土地の広さに対してどれくらいの大きさの家を建てられるかが決められています。
基準を超えた建物を建てることはできません。
平屋は1階建てであるため、2階建て住宅と同じ延床面積を求める場合、より広い敷地が必要となります。
土地代が高くつきがちなのはデメリットといえるでしょう。
坪単価が高くなりやすい
家を建築する際にもっともお金がかかるのは、基礎部分と屋根部分です。
平屋は2階建てと比べると、家の広さに対して基礎部分や屋根の面積が大きくなるため、いわゆる坪単価が高くなる傾向にあります。
実際にどれくらいの値段になるかは、建物のデザインやハウスメーカーのスタンスにもよりますが、一般論として平屋の坪単価は高めに見ておくのが正解です。
日当たりが悪くなることもある
平屋は構造上、中央の部屋に日光を取り入れるのが難しいというデメリットがあります。
また周囲に背の高い2階建て住宅が多いと、そもそも日光が建物に差し込まないという事態に陥ってしまいがちです。
対策としては、天窓を用意するなどが挙げられます。
平屋をおしゃれにする3つのポイント
平屋をおしゃれにするポイントとしては、以下の3つが挙げられます。
- 開放感を意識する
- デザインを工夫する
- 空間にメリハリを与える
ポイント①:開放感を意識する
平屋をデザインする際には、開放感を意識しましょう。
具体的には、中庭を設けて日光が家屋全体に行き渡る設計にしたり、天窓を作ることで健康的な明るさを取り入れたりといった工夫です。
日光がよく入ってくる明るい家は、必然的に開放感が醸し出されます。
いかに光を取り込むかは平屋の課題の1つなので、設計段階からよく考えておくことが大切です。
ポイント②:デザインを工夫する
外壁や屋根のデザインを工夫するのも大切です。
家の第一印象は外観や屋根のデザインで決まるところが大きいので、最初のイメージ段階から力を入れておくべきでしょう。
外壁に木材やレンガを採用したり、屋根の形状を個性的にしたりするなど、自分なりに工夫する余地は無数にあります。
ポイント③:空間にメリハリを与える
空間にメリハリを与えるのも重要なポイントです。
具体的には、平屋のメリットの1つである高さを利用し、場所ごとの高さを少し変えてみるといった工夫が挙げられます。
たとえば勾配屋根を取り入れてみたり、リビングの床を低くしたりするだけでも、メリハリがついておしゃれな雰囲気が滲み出てきます。
平屋をおしゃれにする際の注意点
平屋をおしゃれにする際の注意点として、以下の2つが挙げられます。
- 防犯対策をする
- 日当たりや風通しに注意する
注意点①:防犯対策をする
平屋は1階建てであり、いうなればどこからでも侵入できる状態にあります。
おしゃれさや住みやすさを追求するだけでなく、防犯対策もきちんとしておかなければいけません。
具体的には、歩くと音が出やすい砂利を敷く、防犯用のシャッターやセンサーライトを設置する、といったことが考えられるでしょう。
注意点②:日当たりや風通しに注意する
すでに述べたことではありますが、平屋の注意点として、日光を取り入れることや風通しをよくすることが難しい点が挙げられます。
じめじめした暗い雰囲気にならないよう、日光と風通しについてはきちんと意識しておくことが必要です。
日光は中庭を設置したり天窓を設けたりすることで効率よく取り込めます。
風通しについては、空気がきちんと循環される通り道を確保することがポイントとなります。
【関連記事】家づくりで後悔したくない方必見!失敗例から学ぶ
おしゃれな平屋の施工事例
平屋の施工事例として、次のようなケースがあります。
キッチンの背面は淡いグレーの漆喰壁にして、ダイニングの一角にスタディーデスクを造作しました。
こうすることで、料理中でもお子様に目を配ることができます。
また、ご夫婦のどちらかがお子様の勉強を見て、もう1人が料理を作りながらも、家族団らんの時間を楽しむことができます。
キッチン以外にも、ワンフロアならではの機能的な回遊動線のある平屋の家なので、ぜひご覧ください。
まとめ
平屋をおしゃれにするためにはどのような点に注意すべきかについて、平屋のそもそものメリット・デメリットとともに解説しました。
平屋は自由に設計できるのが強みの1つで、若い世代から高齢者まで、多くの方がもっとも住みたいと思う住居の形を実現しています。
平屋のメリットをフルに活かすことで、住み心地のよさとおしゃれさの両立した理想的な住まいをつくることが可能です。
この記事を参考にして、ぜひおしゃれな平屋を自分のものとしてみてください。
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この記事の監修
アットホームラボ代表 青木真大(あおきまさひろ)
二級建築士、二級建築施工管理技士
2006年建築デザイン学部を卒業後、東京と新潟の建築事務所にてデザイン実務を経て、株式会社アオキ住建へ入社。 建築業界で15年間の設計、現場監督経験を経て、住宅事業部の責任者として1,500件以上の新築及び大規模リノベーションに関わる。
新築だけでなくリフォームも承っておりますので、気になる方は是非無料相談会にご参加ください!
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