プレウォール工法とは?メリット・デメリット、施工事例を紹介
住宅を建築する技術は昔から脈々と受け継がれているものですが、現代でもなお進化を続けています。
安全性が確認された新技術を導入することにより、住宅建築においてさまざまなメリットが生まれ、より優れた生活空間を享受できるようになるでしょう。
そのような住宅建築に関わる新しい技術の1つが、プレウォール工法です。
「伝統と革新が融合した新時代の工法」とも呼ばれ、新技術に積極的な業者が次々と導入しています。
弊社・アットホームラボも、プレウォール工法を効果的に導入し、高性能な住宅を提供しています。
この記事では、プレウォール工法とはどのようなものなのか、メリットやデメリットを具体的に解説します。
またモノコック構造や在来軸組構造といった関連する構造についても説明を加え、施工事例も紹介します。
最後まで読むことで、プレウォール工法のおおまかな理解が得られるでしょう。
プレウォール工法とは
木質構造パネルシステムである「プレウォール工法」は、従来ある在来工法の特性に、ツーバイフォー工法をかけ合わせて誕生した、革新的な工法です。
開発のきっかけは、1995年の阪神大震災。地震の力を面で支えるモノコック構造と、フェノールフォームを利用した断熱パネルの両立を実現しました。
寒さの厳しい北陸地方の環境にも耐える高い断熱性や、日本ではどこでも備えておかねばならない大地震に耐え得る耐震性を完備。
それと同時に広々とした快適な居住空間を提供することも可能となっています。
従来の工法では、「強さ」と「快適さ」を両立するのはとても難しい仕事でした。
頑丈な家を建てようと思えば、居住空間としての快適性が損なわれます。
快適さを第一に考えた場合には、建物としての強さが損なわれる。
どちらを優先的に考えて選択をするのか、優先順位を考えなければならない悩みがありました。
しかし、プレウォール工法が開発されたことにより、住宅性能を飛躍的に向上させることに成功。
強くて快適な住宅が、現実的なコストで可能になりました。
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プレウォール工法のメリット
プレウォール工法のメリットとしては、主に以下の3つが挙げられます。
- 耐震性・断熱性が高い
- 自由度が高い
- 時間がかからない
いずれもプレウォール工法の大きな武器であり、建築業界に急速に広まっていった人気の秘密です。
メリット①:耐震性・断熱性が高い
プレウォール工法の代表的なメリットとして、耐震性と断熱性が高いことが挙げられます。
旅客機の機体にも用いられている「モノコック構造」と、ウッドリンク社が独自開発をした「真壁サンドイッチ構造」の組み合わせによって耐震性を実現しました。
モノコック構造とは、どの方向から荷重がかかっても全体に分散し、部分的な歪みや狂いが生じにくい構造のこと。
一方の真壁サンドイッチ構造とは、地震の揺れが伝わったときに壁が突っ張って揺れに耐える仕組みとなっています。
柱に壁材を釘で打ち付けるだけの大壁構造と比べて柔軟性があり、繰り返しの揺れにも強いので余震が起きても安心という特徴があるでしょう。
プレウォール工法は、この2つがお互いを補うように組み合わせる仕組みであり、数々の耐震実験に対しても非常に有意義な結果を出し続けています。
次に断熱性ですが、プレウォール工法では一般住宅に使用されている断熱材である「グラスウール」ではなく、約2倍の断熱効果を持つ「フェノールフォーム」を採用。
フェノールフォームの特性により、夏場の冷房や冬場の暖房による室温が十分に保たれます。
結果として光熱費の節約にもなる、非常に効果的な素材です。
メリット②:自由度が高い
前項で、プレウォール工法は耐震性に優れていることを解説しました。
つまりプレウォール工法は強度に優れた工法であるということです。
それが自由度の高さにもつながっているでしょう。
通常の工法であれば必要な支えが、プレウォール工法では必要ないという場面がしばしばあります。
これにより、プレウォール工法ならではのオープンで広い間取りを設計することが可能です。
代表的な例としては、吹き抜けや大きな窓がある広々としたリビングが挙げられるでしょう。
強度の点にネックのある工法では安全上不可能な間取りも、プレウォール工法によって実現可能となり、デザイン住宅や注文住宅において威力を発揮します。
デザイン住宅や注文住宅においては、これから家づくりをされる依頼者がさまざまな希望を業者に伝えます。
しかし依頼者は建築について素人であるため、自分の希望が物理的に可能なものであるかの判断ができません。
そのためせっかくの提案も、技術的な問題から業者に拒否されてしまうことがあります。
しかし、プレウォール工法によって間取りの可能性は大幅に広がり、それだけ依頼者の希望が実現しやすくなりました。
メリット③:時間がかからない
プレウォール工法は、建築に時間がかからないのもメリットの1つです。
プレウォール工法による施工は、上棟作業と同時に断熱工事がほとんど完了します。
本来であれば別々にこなすべきことが、同時に果たされるという意味です。
これにより現場作業が少なくなり、工期が短縮されます。
一般的な住宅建築においては、7~10日ほど短縮できることが多いようです。
また時間がかからないということは、建築中の悪天候の影響を受けにくいという利点もあります。
素早く完成させられるプレウォール工法は、建物の構造をできる限り風雨から守る役にも立っているといえるでしょう。
プレウォール工法における施工の手順は、主に以下のようになっています。
- 1階床組(土台)施工
- 1階壁パネル施工
- 2階床パネル施工
- 2階壁パネル施工
- 屋根材・サッシ枠施工
プレウォール工法のデメリット
プレウォール工法のデメリットとしては、通常の工法と比べてコストがかかってしまう場合があることが挙げられます。
耐久性が高く、工期も短く済むなどメリットのたくさんあるプレウォール工法。
しかし、資材コストなどの関係から、まったく同じ外観の住宅を建てると仮定すると、一般の工法と比べて費用が高くなる可能性があります。
一般的な住宅に使われる工法であり、決して一部の富裕層にしか支払えないほど高額になるわけではありません。
しかし、希望する住宅の広さを実現するうえで、予算の関係でプレウォール工法を選択するのは難しい、という状況は起こり得ます。
プレウォール工法は、とくにデザイン住宅や注文住宅を建てる際にはおすすめの技術です。
コストがかかってしまいがちな点については、あらかじめ念頭に置いておいたほうがよいでしょう。
モノコック構造と在来軸組構造
プレウォール工法は、モノコック構造と呼ばれる構造を採用しています。
ここではモノコック構造の仕組み、およびそれと対比的に語られることの多い在来軸組構造について簡単に解説します。
モノコック構造とは、ジャンボジェット機にも使われている「一体構造」の名前です。
外部からの荷重を、柱などではなく面全体で受け止めることにより、全体に分散させる効果があるのが特徴です。
単に衝撃や振動に強いというだけでなく、結果として部分的な歪みや狂いが生じにくいというメリットも生まれます。
このモノコック構造と対比的に語られるのが、従来軸組構造です。
従来軸組構造は、外部からの力を柱や梁などによって受け止める性質のもの。
結果として全体的に十分な強度を発揮しにくく、大地震などの衝撃に耐えにくいという弱点があるでしょう。
プレウォール工法は、モノコック構造に「真壁サンドイッチ構造」を組み合わせることで、さらに高い耐震性を実現したものとなっています。
上越市でプレウォール工法を施工した事例
上越市において弊社・アットホームラボが請け負ったプレウォール工法の施工事例を紹介します。
「土地に余裕のあるこの場所ならではの家にしたい」というご夫婦の希望から、強度に優れ、オープンで広い間取りを設計することが可能なプレウォール工法を用いた平屋の住まいを提案しました。
行き止まりのない回遊動線は、家事ストレスを軽減するだけでなく、どこにいても家族の気配を感じられ、ご夫婦が理想とする住宅を実現することができました。
上記で紹介した施工事例の詳細については、こちらの施工事例ページで確認できます。
まとめ
新時代の住宅建築技術であるプレウォール工法とはどのようなものなのか、メリットやデメリットを解説しました。
弊社・アットホームラボでは、お客様が希望する住宅をできる限り100%に近い形で実現するために、プレウォール工法を積極的に採用しています。
昔ながらの人の力と、新たに開発された技術の力を最高の形で組み合わせることを、アットホームラボでは常に追求します。
プレウォール工法について詳しく知りたい、アットホームラボの家づくりをもっと知りたい方は、ぜひモデルハウスへご来場ください。
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この記事の監修 アットホームラボ代表 青木真大(あおきまさひろ)
二級建築士、二級建築施工管理技士
2006年建築デザイン学部を卒業後、東京と新潟の建築事務所にてデザイン実務を経て、株式会社アオキ住建へ入社。 建築業界で15年間の設計、現場監督経験を経て、住宅事業部の責任者として1,500件以上の新築及び大規模リノベーションに関わる。
新築だけでなくリフォームも承っておりますので、気になる方は是非無料相談会にご参加ください!
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