珪藻土の壁の特徴は?メリットやデメリット、価格を徹底解説
住宅を建てるときに、できるだけ自然の素材を使いたいと考える方は少なくありません。
なかでも、使う面積が広く、お部屋の雰囲気を決める壁の素材にはこだわりたいものですよね。
この記事では、自然素材の壁として人気のある珪藻土についてまとめています。
建材だけでなく、コースターやバスマットにも活用されるほど優れた吸湿性を持つ珪藻土。壁に使用した場合のメリットやデメリットをご紹介します。また、気になる価格についても解説していきます。
珪藻土とは?
珪藻土とは、珪藻という藻の遺骸が長い年月をかけて海や川、湖の底に堆積してできた粘土質の土のこと。非常に細かい穴がたくさん開いている多孔質素材であるため、調湿性や吸水性に優れており、コースターやバスマットとしても活用されています。
壁材として使う場合は、ざらっとした質感が特徴で、あたたかみのある雰囲気を演出することができます。
珪藻土と漆喰の違い
同じ自然素材として知られる漆喰。珪藻土と漆喰の違いをご存じでしょうか。
漆喰は、サンゴ礁から採取した消石灰を主原料とする壁材です。
漆喰は、空気中の二酸化炭素と反応して自ら固まる性質を持っていますが、珪藻土は自ら固まる性質がなく、乾燥すると崩れてしまうため、石灰やセメントなどを接着剤として混ぜる必要があります。
また、漆喰は防水性があるため外壁にも使用できますが、珪藻土は吸水性があるため外壁には使用できないといった違いもあります。
見た目の違いとしては、漆喰はすべすべしていますが、珪藻土はざらざらした質感が特徴。陰影が出るため、おしゃれな雰囲気のお部屋になります。
強度は漆喰のほうが高いですが、調湿性においては珪藻土のほうが優れているため、住宅の内壁として珪藻土を使用することで快適な空間作りに役立てることができます。
【関連記事】漆喰と珪藻土の違いとは?特徴や価格相場、向いている場所を解説
珪藻土の壁のメリット
住宅の壁に珪藻土を使うとどのような効果が得られるのでしょうか。ここでは4つのメリットをご紹介します。
- 調湿性
- 耐火性
- 消臭効果
- 断熱性
では、それぞれについて詳しく解説していきます。
メリット①:調湿性
珪藻土を壁に使う大きなメリットは調湿性に優れていることです。珪藻土には無数の穴が開いていて、湿度が高いときには空気中の余分な水分を吸収、湿度が低いときには水分を放出し、室内の湿度を一定に保つ働きがあります。
人間は、同じ温度の環境でも、湿度が高いとジメジメと暑く不快に感じるため、適切な湿度を保ってくれる珪藻土を取り入れることで、快適な空間を作ることができます。また、余分な湿気が発生しないため、部屋の結露やカビの抑制にも効果を発揮します。
メリット②:耐火性
珪藻土は、耐火性能が非常に優れており、融点は摂氏1200度前後にもなります。その性能から、古くより七輪やコンロ、耐熱レンガの材料として利用されてきました。
そのため、万が一の火災のときにも、一般的な木材と比べて火が燃え広がりにくく、延焼を防ぐことができます。また、自然素材を使用しているため、燃えても有害物質を発生しにくいという特徴があります。
メリット③:消臭効果
珪藻土に開いている無数の穴には、空気中の嫌なニオイを吸着する働きがあります。特にアンモニアなどの水溶性のニオイには高い消臭効果を発揮するため、玄関やリビングだけでなく、ニオイがこもりがちなトイレの壁に珪藻土を使うのも効果的。
また、ペットを飼っているご家庭の消臭対策としてもおすすめです。ただし、珪藻土は吸水性があるため、使う場所によっては、水はねに対策が必要です。
メリット④:断熱性
無数の穴にたくさんの空気を含んでいる珪藻土は、断熱性に非常に優れています。部屋の壁に使うと、無数の空気の層が断熱層として機能し、外気温の影響を受けにくくしてくれます。
さらに、断熱性の高い窓やサッシと組み合わせることで、冷暖房効率が良くなり、光熱費を抑える効果も期待できます。
珪藻土の壁のデメリット
ビニールクロスでは得られない機能性や見た目など、たくさんのメリットがある珪藻土ですが、いくつかのデメリットもあります。後々後悔しないために、珪藻土を壁に使うなら知っておくべきポイントは以下の4つです。
- カビ
- 粉が落ちる
- ひび割れ
- 混ぜる素材によって品質が変わる
それでは、以下でひとつずつ解説していきます。
デメリット①:カビ
調湿性に優れている珪藻土ですが、湿度がずっと高い状態が続いていると、湿気を中に吸収したまま放出することができず、カビが発生することがあります。
湿気の多い洗面所などの水回りや、風の通らない家具の裏などに珪藻土の壁がある場合、カビが発生しやすいので注意しましょう。
梅雨や台風の時期など湿気の高い状態が続いているときには、こまめな換気や除湿を行ってカビを防ぐ必要があります。
デメリット②:粉がボロボロ落ちやすい
珪藻土の壁を強くこすると、粉が手についたり、服が汚れたりすることがあります。そのため、クローゼットの中や、子ども部屋は避けるなど、場所を選んで採用するようにしましょう。
また、硬いものをぶつけると割れることもあるデリケートな素材なため、できるだけ優しく扱うようにしてください。
下地の処理が不十分な場合にも珪藻土の壁が剥がれてしまうことがあるため、丁寧に施工してくれる業者に依頼することも大切です。
デメリット③:ひび割れ
地震による揺れや、施工する際の下地作りや水分調整がうまくいかない場合に、ひび割れが発生することがあります。
小さなひび割れであれば、霧吹きなどで水をかけて珪藻土の粉を塗り込んでなじませることで修復することもできますが、大きなひび割れになると自分での修復は難しくなります。
職人の施工技術によっても仕上がりが変わってくるため、信頼できる職人に依頼するようにしましょう。また、ひび割れのしにくい種類の壁材もあるため、施工会社と相談しながら最適なものを選ぶこともおすすめです。
デメリット④:混ぜる素材で品質が変わる
珪藻土を壁材として使用する場合、珪藻土だけでは固まらないため、セメントや石膏、合成樹脂などの凝固剤を混ぜる必要があります。凝固剤には自然素材のものと、合成樹脂を使ったものがあり、使う素材によって品質が変わってしまうので注意が必要です。
合成樹脂を多く使うと、珪藻土にある無数の穴を塞いでしまい、メリットである調湿性や消臭効果が落ちてしまいます。商品を選ぶ際には、珪藻土の壁材に混ぜられている素材にもこだわるようにしましょう。
珪藻土の壁の費用はどれくらい?
珪藻土を壁に使いたい場合、気になるのが費用の問題。標準的な相場としては、1㎡あたり1,000~3,000円、加えて施工費用が1㎡あたり5,000~8,000円程度必要となります。
珪藻土の塗り壁は、養生や下地作り、仕上げなど施工に工程が多く手間がかかるため、ビニールクロスと比較すると初期費用が高くなります。
ですが、ビニールクロスにはない機能性や見た目に魅力を感じる場合、費用をかける価値があると言えるのではないでしょうか。
基本的にはビニールクロスのように張り替える必要が無いため、施工時には初期費用がかかりますが、ランニングコストは抑えられるとも考えられます。
費用は、施工する面積によって変わるため、あらかじめ予算とのバランスを考えて、どこに珪藻土を使用するのかを検討しましょう。
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まとめ:珪藻土の壁のメリットとデメリットについて
珪藻土の壁は、いくつかのデメリットもありますが、高い調湿性や消臭効果、断熱性により快適な住まいを作ることができる点が魅力。ビニールクロスでは得られない耐火性についても見逃せないポイントです。
珪藻土の壁材にも様々な種類があるため、住宅会社と相談して適切な壁材を選ぶようにしましょう。
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この記事の監修
アットホームラボ代表 青木真大(あおきまさひろ)
二級建築士、二級建築施工管理技士
2006年建築デザイン学部を卒業後、東京と新潟の建築事務所にてデザイン実務を経て、株式会社アオキ住建へ入社。 建築業界で15年間の設計、現場監督経験を経て、住宅事業部の責任者として1,500件以上の新築及び大規模リノベーションに関わる。
新築だけでなくリフォームも承っておりますので、気になる方は是非無料相談会にご参加ください!
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