漆喰と壁紙はどっちがいい?それぞれのメリット・デメリット、費用を解説
住宅の壁を選ぶときに、漆喰にするのか壁紙にするのか迷う方は多いですが、それぞれの特徴についてどのくらい知っているでしょうか。
漆喰と壁紙は、見た目だけでなく、機能性やコストについても違いがあるため、長期的な目線で考えてどちらを選ぶか決める必要があります。それぞれの特徴や、メリット・デメリットをしっかりと把握したうえで納得のできる選択をしましょう。
この記事を読んで、漆喰と壁紙の違いについて知り、壁材選びにお役立てください。
漆喰のメリット
自然素材の壁材として人気のある漆喰。ここでは、漆喰の4つのメリットをご紹介します。
- 調湿性
- 耐火性
- 抗菌性
- 劣化しにくい
順番に見ていきましょう。
メリット①:調湿性
漆喰は、無数の穴が開いている多孔質素材であり、その穴が湿度の高いときには余分な湿気を吸収し、空気が乾燥しているときには湿気を放出します。
年間を通してお部屋の湿度を一定に保ち、快適な空間が作れるだけでなく、結露やカビを防止することで、住宅の耐久性の維持にもつながります。
メリット②:耐火性
消石灰が原料の漆喰は、建築基準法で不燃材料として認定されているほど、耐火性に優れています。自然素材の壁材のため、万が一、火災があった際にも、有害物質を発生しません。
もしものときの防火対策として、漆喰はおすすめの壁材です。
メリット③:抗菌性
漆喰は強アルカリ性であり、強い抗菌性があります。そのため、細菌やカビが発生しにくく、常に清潔な状態を保つことができます。
人体への影響が気になる方もいるかもしれませんが、しっかり乾燥させた漆喰は触っても人体に害はありません。漆喰を採用することで、お家の中でも抗菌対策ができるのはうれしいメリットです。
メリット④:劣化しにくい
一般的な壁紙は、経年劣化によって黄ばみや剥がれが気になり、張り替えが必要になることがあります。
しかし、漆喰の壁は長い年月が経っても劣化しにくく、ほとんど見た目の変化がありません。そのため、基本的には壁紙のような張り替えは不要。
初期費用はかかりますが、その後のメンテナンス費用を抑えることができます。
漆喰のデメリット
様々なメリットがある漆喰ですが、デメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。代表的なデメリットは以下の3つです。
- ひび割れ
- 汚れが目立つ
- 費用が高い
デメリットについては、後から後悔しないように事前に把握しておくことが肝心です。
解説を読んで、しっかりと知識を入れておきましょう。
デメリット①:ひび割れ
漆喰の壁だけに限ったことではありませんが、地震の揺れなどにより壁にひびが入ることがあります。漆喰はツルっとした質感が特徴であるため、ひびが目立ってしまうこともあるかもしれません。
ひび割れを防ぐためには、施工時の下地処理から仕上げまでの工程を適切に行う必要があるため、信頼できる業者に依頼することも大切です。
デメリット②:汚れが目立つ
真っ白な見た目が美しい漆喰。それゆえ、スイッチやコンセントの周りなどよく触る部分は汚れが目立ってしまうことも。
また、漆喰には水を吸い込む性質があるため、汚れた水が付いたままにしていると内部にまで汚れがしみ込んでしまい、シミが残ってしまいます。
そのため、漆喰の壁を洗面所やキッチンなどの水回りに採用する場合は、水はねや汚れが付かないような工夫が必要です。
もしも汚れてしまった場合は、軽い汚れであれば紙やすりや消しゴムでこする、中性洗剤を使ってシミを抜くなどの方法で対処します。
それでも汚れが目立つ場合は、上から漆喰を上塗りして綺麗にすることもできます。
その点は、汚れると全体を張り替える必要のある壁紙と違って、漆喰ならではの良い点と言えるでしょう。
デメリット③:費用が高い
漆喰は一般的な壁紙と比較すると費用が高くなります。これは、壁紙よりも作業工程が多く、職人による手作業での施工となるため、材料費に加えて施工費用がかかってしまうからです。
施工する範囲によって費用も変わるため、予算の範囲内でどこに施工するのかを検討する必要があります。
【関連記事】漆喰(しっくい)壁のメリットやデメリットとは?後悔しないためのポイントを解説
壁紙のメリット
一般的に住宅の壁と言えば、壁紙をイメージする方も多いと思いますが、壁紙のメリットとデメリットについて考えたことはあるでしょうか?ここでは、以下の3つのメリットについてご紹介していきます。
- 費用が安い
- デザインが豊富
- お手入れの手間がかからない
それでは順番に解説していきます。
メリット①:費用が安い
壁紙にも様々な種類がありますが、大量生産が可能であるため、費用が格段に安く済みます。漆喰と比較すると施工の手間も少ないため、材料費だけでなく、施工費用も抑えることができます。
予算との兼ね合いで費用を抑えなければならない場合には、壁紙の価格の安さは、大きなメリットとなるでしょう。
メリット②:デザインが豊富
壁紙は取り扱いメーカーも多く、豊富なデザイン性が魅力です。一般的なビニールクロスだけでなく、パルプや綿、麻を原料に使ったものなど、素材もたくさんあります。
色やデザインのバリエーションが無数にあるため、自分好みのテイストや理想のお部屋を作りやすいのがメリットです。
メリット③:お手入れの手間がかからない
壁紙はメンテナンスが楽だというメリットがあります。壁紙には様々な機能が付加されているものがあり、水回りには耐水性のもの、トイレなどには消臭機能の付いているものなど、場所によって選択することができます。
また、汚れのふき取りや水拭きなどもできるため、毎日のお手入れが簡単にできる点が魅力です。
壁紙のデメリット
壁紙にもメリットがあることが分かりましたが、デメリットについても把握しておきましょう。
よくある壁紙のデメリットとしては主に以下の4つが挙げられます。
- カビ
- 汚れが付きやすい
- 劣化しやすい
- アレルギー
では、ひとつずつ詳しく解説していきます。
デメリット①:カビ
壁紙は漆喰と違って抗菌性や調湿性が無いため、部屋の湿度が高く、風通しの悪い状態が続くと、カビが発生することがあります。
カビが生えると見た目が悪いだけでなく、カビ菌を吸い込むことによる健康被害の恐れも懸念されます。
カビは、一度発生するとすぐに広がってしまうため、除湿やこまめな空気の入れ替えによりあらかじめ予防することが大切。洗面所やトイレなど湿度の高くなりやすい場所はカビが発生しやすいので、特に注意しましょう。
デメリット②:汚れがつきやすい
壁紙は、長年時間が経つと徐々に黄ばみや黒ずみなどの汚れが目立ってきます。
ビニールクロスは帯電性があるため、静電気が発生することでほこりが付きやすく、蓄積されると黒ずみが目立つようになってしまいます。
また、キッチンの近くでは、調理中の油を含んだ煙が黄ばみの原因となることも。壁紙全体が黄ばんでくると汚れを落とすことが難しく、張り替えが必要となってしまいます。
デメリット③:劣化しやすい
壁紙は、部屋の環境や使用具合によっても変わりますが、徐々に経年劣化していきます。長年使用していると、カビや黄ばみなどの汚れが目立ったり、嫌なにおいがしたりすることも。
また、防汚や防カビなど機能性のある壁紙についても、経年劣化により徐々にその機能が失われていくため、数年から数十年で定期的な張り替えが必要です。
デメリット④:アレルギー
壁紙は、様々な化学物質を含有しています。変色やカビを防止する安定剤や、施工する際に使用する接着剤などから化学物質が発散されるため、化学物質に敏感な方や、アレルギーが心配な方は特に注意が必要です。
【関連記事】漆喰壁はアレルギーの原因?それぞれの関係をわかりやすく解説
漆喰と壁紙の価格比較
壁紙は、非常に安価なビニールクロスから、素材や機能を付加したものまで価格もバリエーションも様々です。
一方、天然素材を使用し、様々な機能性のある漆喰は、壁紙よりも費用がかかります。
〈漆喰の参考費用〉
施工する面積や下地処理の状態などによっても費用が変動するため、予算が気になる場合は、リビングや寝室など長く過ごす場所で漆喰を使う方法もおすすめです。
漆喰は、壁紙のように定期的な張り替えが不要で、メンテナンス費用を抑えることができるため、コストパフォーマンスに優れているとも言えます。
長期的なメリットと比較してよく検討するようにしましょう。
【関連記事】漆喰壁(しっくいかべ)にリフォームする際の費用相場を解説
まとめ:壁紙と漆喰のメリット・デメリットについて
いかがでしたでしょうか。漆喰と壁紙にはそれぞれ特徴があります。メリットとデメリットをよく理解したうえで最適なものを選択するようにしましょう。
アットホームラボは、自然素材の家にこだわり、無垢や漆喰の壁を標準仕様にしています。壁紙と違って、漆喰は実際に目にする機会が少ないかもしれません。漆喰を検討中の方は、実際に漆喰を使った家を見てみるのが一番です。
新潟県内5カ所にあるアットホームラボのモデルハウスには漆喰を使用しているものもあるため、各モデルハウスの来場予約よりご予約のうえ、ぜひお気軽に見学にお越しください。
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この記事の監修
アットホームラボ代表 青木真大(あおきまさひろ)
二級建築士、二級建築施工管理技士
2006年建築デザイン学部を卒業後、東京と新潟の建築事務所にてデザイン実務を経て、株式会社アオキ住建へ入社。 建築業界で15年間の設計、現場監督経験を経て、住宅事業部の責任者として1,500件以上の新築及び大規模リノベーションに関わる。
新築だけでなくリフォームも承っておりますので、気になる方は是非無料相談会にご参加ください!
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