無垢材とは?無垢材の特徴やメリット・デメリット、お手入れ方法などを紹介
自宅を建てる、またはリフォームを計画されている方で、無垢材を使った建築を検討されている方が増えています。
近年の木造建材は、集成材といって、複数の木材を接着剤で貼り合わせて製造される建材が多く、接着剤や塗料などの科学製品を敬遠する方がいるからです。しかし、無垢材のコストや種類など、いまいち分からないという方も少なくありません。
この記事では、無垢材の種類と特徴、メリット・デメリット、お手入れ方法などを分かりやすく解説します。ぜひ、参考にして下さい。
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無垢材とは
無垢材とは、自然林から伐採した木材を数年かけて乾燥させ、皮をはいで加工したり、そのまま使用したりする建材のことです。神社や仏閣などの伝統的な建築物に使用されている建材は無垢材にあたります。
その特徴を具体的に解説していきます。
無垢材の特徴
無垢材は、スギやヒノキ、パイン、オーク、クリなど、香りや木目、硬さにそれぞれの特徴があります。精油分であるフィトンチッドにより気分が和らぐアロマテラピー効果があるとされているため、家に居ながら森林浴を楽しめるでしょう。
無垢材は湿気が多い初夏には吸湿性に優れ、乾燥しがちな冬場には湿気を放出するという日本の四季に対応した自然素材です。たとえば、床材に無垢材を使用した場合、調湿効果があるため、足元がべたつかず、四季を通じて不快な思いをすることがありません。
また、天然木のため熱伝導率が低い特性があり、熱さや寒さなどの急激な変化から守ってくれます。
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無垢材のメリット
ここでは、無垢材の以下の5つのメリットについて解説します。
- 身体に優しい
- 見た目に風情がある
- 環境に優しい
- 経年変化を楽しめる
- 調湿効果がある
メリット①:身体に優しい
無垢材では、集成材のように接着剤や塗料などの科学物質は一切使いません。そのため、化学製品にアレルギーをお持ちの方やお子様にも悪影響を与えない身体に優しい建材です。
メリット②:見た目に風情がある
無垢材は、広葉樹、針葉樹のさまざまな材木から選択可能です。そのため、選択する材木の木目や香りを生活の中で毎日楽しむことができます。また、同じ種類の無垢材でも、木目には個性がありますので建材そのものにオリジナリティーがあるため、唯一無二の存在として愛着が湧いてくるでしょう。
メリット③:環境に優しい
無垢材は自然素材であるため、周辺環境にも優しい建材です。また、再生可能な建材であるため、簡単に再利用できるエコロジーな素材としても、注目を集めています。さらに、表面に樹脂や塩化ビニール系の化学物質を使用していないため、メンテナンスが簡単にできるという利点もあります。
メリット④:経年変化を楽しめる
無垢材は、耐久性が高いので、柱や梁(はり)、フローリングなどで使う場合は、経年変化を楽しむことができます。年を重ねるごとに、無垢材の色彩やコントラスト、木目の表情が変化し、集成材では再現できない無垢材独特の質感や色調を楽しむことが可能です。
たとえば、無垢材専用のメンテナンスオイルやワックスでお手入れすることによって油分が少ない樹種であっても、木材が本来持つ自然な艶感を蘇らせることができます。
メリット⑤:調湿効果がある
無垢材の内部には小さな無数の空洞があります。空洞は空気が乾燥しているときには空洞にためてある水分を吐き出し、逆に湿度が高い時には湿気を吸い込む性質があります。そのため、調湿効果に優れ適度な湿度を保ち、急激な湿度の変化によるジメジメとした不快感を感じることがありません。
また、50%前後の湿度はカビやダニの発生を防ぎ、肌やノドをほどよく潤わせウイルスを付着しにくくするため、調湿効果がある無垢材は衛生的で健康的な生活空間を作ってくれます。
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無垢材のデメリット
無垢材には、以下の5つのデメリットもあります。
- 床の手入れが大変
- 品質にバラつきがある
- 温度の変化で変形しやすい
- 傷がつきやすい
- 水に弱い
それぞれ具体的に解説していきます。
デメリット①:床の手入れが大変
無垢材の床(フローリング)は、ワックスでのお手入れが定期的に必要になります。使用状況によりダメージやワックスの剥がれが異なる箇所を判断してお手入れすることが必要です。
ワックス・オイルによるお手入れがない状態になると、汚れがつきやすく表面が黒ずみやすくなるのが無垢材の床の難点といえるでしょう。
デメリット②:品質にバラつきがある
ランダムな木目は個性的で唯一無二というメリットでもありますが、逆に不均一で品質が揃えにくいことでもあります。好みにもよりますが、同じ樹種の無垢材でもグレードの高いものは均一で節や脂壺などが少ない品質で揃えることが可能です。
ただ、色見や木目を均一に揃えようとすればするほど価格は高くなるため、注意しましょう。。
デメリット③:温度の変化で変形しやすい
調湿作用に優れた無垢材は、その反面水分や温度の変化によって膨張・伸縮するため「寸法の安定性」が低くなっています。このことから、軋み(キシミ)や反りが発生する場合には、メンテナンスが必要です。
ただし、品質のよい無垢材であれば、加工時にしっかりと乾燥させるなどの方法でこの問題が軽減されています。
デメリット④:傷がつきやすい
無垢材は、広葉樹や針葉樹があり樹種によっては、硬いものや柔らかいものもあります。ただ、いずれも強い衝撃を受けると、表面に凹み(へこみ)が発生しやすく、傷がついた場合にはアイロンやヤスリで都度補修が必要です。
ただし、補修方法は簡単でよほどのことがない限り誰にでもできますので、慣れれば補修も無垢材の醍醐味だという方もいます。
デメリット⑤:水に弱い
無垢材は、水分に弱いため注意が必要です。液体をこぼして放置してしまうと、たとえ水であってもシミができやすくなります。
水分をこぼしたときは、沁み込んでしまう前に水分を残さないようふき取って乾燥させるようにしましょう。
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無垢材の種類
無垢材には以下の5つの種類があります。ここでは無垢材の種類について、特徴やそれぞれの使用用途について解説します。
- パイン
- スギ
- ヒノキ
- オーク
- チェスナット(クリ)
種類①:パイン
パイン材とは松の木のことです。針葉樹でマツ科の樹木は種類が多く、原産地によっても特徴が異なりますが、共通点は色目が明るく、木目には節が多いことがあげられます。パイン材は針葉樹ならではの北欧のインテリアによく使われており、北米のカントリーテイストも感じられるのが特徴です。
独特の木の香りを放ち、油分が多いため経年変化により飴色になり、独特のツヤが生まれる点もインテリアとして好まれる要因です。
北米産や欧州産のものを中心に50種以上のパイン材がありますが、インテリアに使用されるのは、ホワイトパイン、イエローパイン、ロッジポールパイン、ポンデロッサパイン、シルバーパインなどに限られます。
なお、日本の松はパイン材には属していません。
種類②:スギ
日本の材木で代表的なスギの木は、室町時代から人口的に植林されてきたものが殆どです。一方、東北地方の一部や鹿児島県屋久島などでは、樹齢数百年といった天然スギが分布しており、これらは高値で取引されています。
針葉樹であるスギの木は、垂直にまっすぐ成長する特性があるため、木目も直線的で美しく、柱や建具として利用されてきました。加工しやすく、通気性や防水性が高いため、古くは酒樽や造船の原料としても使用されてきたほどです。
また、スギ精油はアロマセラピーでも、リラックス&リフレッシュ効果に優れているため、忙しい一日のストレスを癒してくれます。
種類③:ヒノキ
日本の無垢材で代表的なもう一つの針葉樹がヒノキです。見た目はスギと似ていますが、建材や家具として使用した際に室内が木の香りに包まれ、癒やしの効果が得られます。
材質的な点では、スギの木と比べてヒノキの方がキメ細かくツヤがあり、硬く重量も重いため、家の強度を支える重要な柱や梁などに使われることが多いのが特徴です。
神社や仏閣の建築物においても、柱や梁の殆どでヒノキが採用されています。
種類④:オーク
オークとは、ブナ科コナラ属の広葉樹で「ナラ」または「ミズナラ」と呼ばれ、どんぐりがなる木として知られています。世界中で数百種類が存在し、古くから欧米では家具、床材、船舶などにも使用されてきました。
日本においては、主にインテリアに使用されており、家具で無垢材といえば「オーク」といわれるほどです。数百種あるオークのなかで家具に使われるものは、主に以下の3種類に大別されます。
- ホワイトオーク
主にアメリカやカナダなど北米産のホワイトオーク材。耐水性が高く、ダイニング家具に使用されている。 - ナラ(ミズナラ)
主に北海道やロシアが産地で、比較的寒い地域で生育するので、木目が細かく詰まっているのが特徴。 - レッドオーク
主に北米産が多く、赤みがかった色とはっきりとした木目が特徴。ホワイトオークより柔らかいので加工しやすく、重厚さ、強度が高く衝撃に強い。
種類⑤:チェスナット(クリ)
チェスナットとは、栗の木のことで広葉樹になります。独特の温かみのある色合いが特徴的です。
建具やフローリングなどの用途に用いられることが多く、美しさと独特の香りから高級感が感じられます。木目には独特の波模様が現れ、年輪の境目がはっきりするのが独特です。
また、この樹木は湿気にも強いため、キッチンや洗面所などの水回りにも使われています。
耐久性が高く数十年から百年以上使用されるチェスナットは、年数が経過することで木目の輪郭や模様が鮮明になることから、フローリングなどの内装材や家具にも向いた樹木といえるでしょう。
無垢材を長持ちさせるおすすめのお手入れ方法
無垢材のお手入れには、日常的なものと年に一度の特別な方法があります。それぞれ見ていきましょう。
【日常的なお手入れ方法】
無垢材の毎日のお手入れは、基本的に掃除機でゴミを吸い取るだけで問題ありません。ただし、傷が付きにくくするため、自走式やエアタービン式にかかわらず掃除機のヘッドのブラシは引っ込めず出して使いましょう。
拭き掃除をする場合は、モップは使わず雑巾をなるべく硬く絞って拭き取ったあと乾いた雑巾でカラ拭きするようにしてください。
フローリングの隙間に入り込んだ汚れは、爪楊枝など細く柔らかい棒でかき出しましょう。冬場のフローリングの場合、板同士が収縮して隙間が広がります。
そのため、隙間にゴミが入りやすく取り出しやすい時期でもあるので、掃除の頻度を高めるのもおすすめです。
水分をこぼした場合は素早く乾いた雑巾で拭き取ってください。水分を残すとカビや歪みの原因になりますので必ず拭き取りましょう。
油分のあるものをこぼした場合は、濡らして固くしぼった雑巾に中性洗剤を薄く塗布して、拭き取ってください。強くこすらずに軽く叩きながら油汚れを吸い取り、必ず乾いた雑巾で拭き取りましょう。
無垢材の床が何らかの衝撃によりへこんでしまった場合は、へこんだ場所に濡らした布巾をあてて5分ほど放置し、布巾の上から低温のアイロンを5〜10秒ほどあててください。数回繰り返すと木の伸縮が促されて、へこみが改善することがあります。
ただし、コーティング系塗料を使用している場合、この方法は避けてプロに相談してください。なお、クイックルワイパーや化学モップの使用はシミの原因にもなりますので避けてください。
【年に一度のお手入れ方法】
無垢材のお手入れは、日常のお手入れ以外に年に一度の特別なお手入れが必要です。浸透系塗料を使用する無垢材は、定期的に、塗料の塗り替えをすることで美しさが保てます。
塗料を塗る際は、表面の埃を取り除いた上で塗装してください。大掃除のときに合わせて行うのが良いでしょう。
ただし、コーティング系塗料を使用している場合は、コーティングの光沢が剥がれるまで再塗装する必要はありません。また、再塗装は素人では失敗するケースが多いためプロに相談してください。
アットホームラボで無垢材の家を建てよう
この記事でご紹介した通り無垢材は、接着剤等を使わず自然の木を加工したものです。
反対に複数の木を接着剤等で貼り合わせ、一定の強度まで加工したものを集成材と呼びます。無垢の家は化学製品を使用していないため、住む人にとって非常に優しい素材です。
また、感染症が流行する季節には無垢材の調湿性能があなたを守ってくれ、日常的にアロマセラピー効果であなたやご家族の心身まで癒してくれます。日本の伝統的な木造建築にはこうした秘密が隠されていたのです。
アットホームラボでは、伝統をそのまま引き継ぎながらも、無垢材を使った近代的なデザインと建築技術を開発し、気密性と断熱性が高く、独自の熱交換換気システムをご提供しています。
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まとめ:無垢材について
無垢材について、種類と特徴、メリット・デメリット、お手入れ方法まで解説しました。無垢材は四季がある日本の風土にマッチした伝統的な建材です。
アットホームラボでは、モデルハウスや施工事例、イベントを開催するなどご検討頂く際の豊富な材料や情報を整えています。
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この記事の監修 アットホームラボ代表 青木真大(あおきまさひろ)
二級建築士、二級建築施工管理技士
2006年建築デザイン学部を卒業後、東京と新潟の建築事務所にてデザイン実務を経て、株式会社アオキ住建へ入社。 建築業界で15年間の設計、現場監督経験を経て、住宅事業部の責任者として1,500件以上の新築及び大規模リノベーションに関わる。
新築だけでなくリフォームも承っておりますので、気になる方は是非無料相談会にご参加ください!
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